ポルシェの進化を支えるツッフェンハウゼン

1964年の誕生以来、ポルシェ911は、ドライバーの望む感覚にダイレクトに反応するよう車とドライバーの理想的な関係を追求し進化し続けています。同じ911でも週末のドライブやショッピングまたは通勤などの普段使いの実用性の高いモデルからノーマルカーレースなどで活躍できるように意識して開発されたモデルまで様々なモデルが用意されています。

進化するための投資

ポルシェ911は、1964年のデビュー以来ドイツ南西部のシュトゥットガルト近郊に位置するツッフェンハウゼン工場で生産されています。ポルシェがここに工場を設けたのは1949年で最初に生産されたモデルはポルシェ356でした。それ以降このツッフェンハウゼン工場では、911シリーズを始め様々なモデルが生産され世界中に届けられています。ポルシェは他にも生産拠点を持っていますが、このツッフェンハウゼンが主となる工場でツッフェンハウゼン工場の周辺にはセールスの拠点となるポルシェセンターやオフィシャルのポルシェミュージアムが建てられています。2015年8月には、インスピレーション911と呼ばれるモニュメントも設置されていてます。
将来的には、ボクスター&ケイマンや911などの2ドアモデルのみがツッフェンハウゼン工場で生産されることになり、2018年までに7億ユーロの追加投資をツッフェンハウゼン工場に対して行う事をポルシェは、2009年に発表しています。今後、全てのポルシェの2ドアモデルはツッフェンハウゼンで生産されることになると言うことです。既に2億ユーロを投資したペイントショップと呼ばれるペイント部門は、非常に高度な先端技術が導入されており2011年からツッフェンハウゼンで稼働を始めています。この新ペイント工場は、2交代制で稼働し1日に170台のボディに塗装が可能となり、場合によっては3交代制にも対応できるように設計されています。その他にもボディ製造設備にも投資され、スポーツカーのボディが最先端技術によって作られる予定になっているそうです。

ポルシェの発表によれば生産モデルを2ドアに集中させることにより生産性が向上し、生産性を向上させることでコストの影響なく従業員の労働時間を1週間あたり34時間短縮することに成功し、これまで臨時で雇用されてきた人材を正規雇用とすることが可能になったそうです。
工場内では、作業員が作業を行い易くなるように人間工学に基づく様々な工夫がなされ、その結果として作業効率の向上につながっています。単純作業の繰り返しになるような作業工程はロボットに任せる事で作業効率がアップし、複雑な作業が必要になる部分などには人の手で作業を行います。このバランスによって作業効率の向上は勿論ですが、最高レベルの品質を保ち続けています。

ツッフェンハウゼン工場では、911という独特なフォルムのスポーツカーを生産し続けています。そして、911が進化するとともに、生産プロセスも進化しています。半世紀前にこのツッフェンハウゼンで911の生産に携わっていた作業員が現在の工場を見たら、あまりの変化にきっと驚いてしまうことでしょう。
このツッフェンハウゼン工場で働く人達は、50年以上も続く世界最高レベルのスポーツカーを作っていることを誇りに思い、スポーツカーへの情熱を胸に高品質のスポーツカーを生産しています。おそらくこの思いは半世紀以上前から引き継がれているものなのでしょう。そしてこの思いは次の世代へと引き継がれポルシェの更なる進化へと結びついていくのだと思います。
普段は完成した車に注目が集まりますが、ふと生産過程や生産者の思いなどにも注目してみるとその1台の911には、50年以上も続くスポーツカーへの情熱が注ぎ込まれていることに改めて気が付かされます。そして、その思いは次にいったいどのような911を誕生させてくれるのかとても楽しみなります。

更新日: 2016年7月21日 投稿者: スタッフ

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